2015年2月17日火曜日

牧島竜也さんとあさ子さんの『残り物には福がある』 vol.17


今年も、まだまだ、『残り物には福がある』シリーズは続きます。
今年、最初は、飛騨高山にお住まいの牧島竜也さんと、あさ子さんです。




飛騨高山は、
聞く所によると、
昨年、12月には、
90才のおばあさんが、
『こんな事は生まれて初めて!』と言ってるほどの大雪だったそうで、
一時、停電もしていたので、
果たして、お家まで、たどり着くのかしら?と
心配しながら、1月にお邪魔してきました。

行きは、名古屋から特急で行ったのですが、
最初、なかなか雪景色にならないので、
あれー?なんて、思っていたら、下呂温泉あたりから、
下記、ご覧のような雪景色になってきて、
すてきな景色に、旅気分は高まりました。



おふたりのお家は、飛騨高山駅より、飛騨古川駅の方が
いくらか近いので、そこで、下車したのですが、
大雪は何週間か前だったので、
予想に反して、駅前はそんなに雪なくって、アレレ?
旅気分だから、そんな事言ってますが、
住んでたら、大雪じゃ、大変ですよね。
駅まで、竜也さんに迎えに来ていただき、
古川の町を通っていきます。


ゆっくり、旅してみたいような、
高山とはまた違ったひなびた魅力がありました。
雪景色もきれいですが、
雪のない季節なら、川を泳ぐ、鯉を見ながら、散歩が楽しそうです。



目的地に着くまで、
神奈川出身のおふたりが、
なんで、高山に暮らす事になったのか、お聞きした所、
北は北海道から日本各地、車で見て廻った所、
高山が気に入って、
家を探し、今のお家に出会ったそうです。
で、高山で、おふたりは、
農業したり、地域のお仕事したりの、自給自足的な暮らしをして
5年になるそうです。

で、到着したお家がここ



なんとtree house製作中

いいですねー。
完成したら、上から景色見てみたーい!


今は一面雪景色で、
遠くから見ると、こんなお家、大きい!



民宿のように、だれかが常に滞在している事が多いお家だそうですけど、
これなら、たくさん泊まれそうですね。

蔵もある。
味噌や保存食作るには抜群の環境で、羨ましい!



干し柿も軒下に。


団員とは、地域の消火活動をする団員の事だそうです。


で、玄関を入ると、
竜也さんが製作したロケットストーブがありました。



後で、本を見せてくださったのですが、
このロケットストーブ、
アメリカで始まったらしいのですが、
震災で被災した方なども利用したとか。
なんでも燃やせて、煮炊きも出来、おんどるのようにも
出来る、優れものです。
写真の土を盛ったような部分に座ると
お尻が温かくなるように作っているそうです。


下記は可動式です。


猫のカミーロが迎えてくれました。
すごーく、人懐っこい猫で額を私の額につけて、
挨拶?してくれたのには、グッときちゃいました。


で、やーっと、本題ですが、
牧島さんとあさ子さんに、
最初、何か『残り物には福がある』のテーマで
ごはん作って頂けますか?と聞いた所、
生活すべてが、そんな感じというお答えでした。
なので、興味津々で、お家にお邪魔した訳です。
ここまで、伺ってもこのテーマにピッタリのお家です。

で、あさこさん担当の今日のお料理は、
ごはんが残った時の『玄米おこげのエスニック炒め』だそうです。



早速、お台所に移動すると、
かわいいかまどがありました。
で、最初は、このかまどを使っていたそうですが、
木を燃やすとお台所がすすで汚れるので、
たまーにしか使わないそうです。
かわいいんですけどね。
昔の人は大変でしたね。


『玄米おこげのエスニック炒め』

材料
残って少し固くなった玄米ご飯
豆腐
きゃべつ
長ねぎ
にんにく
しょうが

片栗粉
小麦粉
コショウ
醤油
インドネシアの調味料
 ケチャップ マニス(甘い醤油のような)
 サンバル チャペ(唐辛子のソース、マイルドなもの)


作り方
1、豆腐は水をきっておく。
2、きゃべつは3cm位のざく切り、長ネギは斜め5mm幅に切る。
  にんにくはみじん切り、しょうがはせん切り。


3、豆腐は2cm角に切り、ボールに小麦粉と片栗粉を
  入れ、混ぜ、豆腐を絡める。
        飛騨のお豆腐はしっかりした大きなお豆腐で、
        大豆の味がしっかりしておいしかったです。

4、フライパンに油を入れ、豆腐を焼きつけ、皿に取り置く。



5、3の粉の入ったボールに玄米ご飯を入れ、粉が足りなければ、足し、
  少し、米粒を潰しながら、混ぜる。



6、フライパンに油を敷いて、玄米ご飯を広げ、表面カリカリに焼く。

7、玄米ごはんはを入れたまま、フライパンにスペースをあけて、
  にんにくを入れ、香りが出たら、
  次にしょうがを入れ、炒め、長ねぎを入れ炒める。



8、少し、炒まったら、
  玄米ごはんと混ぜ、塩、コショウする。
9、8にきゃべつを加え、炒め、しょうがも加え、炒める。
10、4の豆腐を加え、ケチャップ マニス(多め)、
   サンバル チャペ(中くらい)、醤油(少なめ)で味つける。


出来上がり!



インドネシアの調味料は、残っていたので、使ってみたら、
おいしかったそうで、
そうめんの汁にサンバル入れてもおいしいとか。
今度やってみよーうと!
ほんと、ぴったり味があっていて、
無国籍なお料理で、美味しかったです!

で、食べる時に、山椒の粉を
かけると美味しいと言われ、かけてみたら、
山椒がおいしいのなんのって、
竜也さんが
乾燥した実の殻部分を粗く、すり潰したものでした。
山椒や花椒が大好きな私も、
これから、うちので、作る事にしました。

そして、この日に、もう1品、ストーブの上で出来ていたものは、
野菜いろいろのカレーです。



いつもあるもので作るそうですが、
あさこさんは、辛いのが苦手なので、
あんまり辛くなく、
水分は入れず、野菜の水分だけで作るそうで、
STAUBの鍋がこの料理法にはピッタリですね。
しかも、薪ストーブの上でおいしく出来ていました。
簡単!おいしいで言う事なし!ですね。



この日入っていたのは、
にんにく、ごぼう、玉ねぎ、長ネギ、白菜、
きゃべつ、かぼちゃ、にんじん、しょうが
香辛料はフェネグリーク、クミン
+カイエンペッパー、ガラムマサラ、カレー粉を、
その日の気分で入れるそうです。
+塩、こしょう



いろいろ入っているものが、いい具合に煮えて、
渾然一体になっていて、
優しい味でおいしかったです。
ごぼう、気に入りましたー!
あさこさんは、あんまり、お料理に興味なかったそうですが、
ここの生活でいろいろ作るようになったという事ですが、
とっても、優しい味でおいしく、
お料理で人柄が表れるなーと、思いました。


ごちそうさま!

帰りは、
今度は、高山まで、送って頂いたのですが、
竜也さんの車、廃油(天ぷら油とか)で動いているそうです。



上記、写真のように、
廃油をただ、濾過して入れてるだけなんだそうで、
『大地を守る会』なども
廃油をディーゼル燃料化して使っていると聞いているのですが、
こちらは、そんな事せず、濾過するだけです。
それを、車に入れていいなんて、思わなかったー!
びっくり、というか、私が無知なだけですね。


生活すべてに対して、
知恵ある生活してらっしゃるおふたりでした。

飛騨高山には、
私の好きな日本酒の酒蔵もたくさんあるし、
(アメリカ人の蔵人もいらっしゃるらしいですよー!)
野菜や豆、豆腐など、食材でおいしいものがいろいろあるそうですし、
また、雪の多い地方ですから、
『残り物には福がある』的な
保存食やその食べ方もいろいろ参考になりそうですから、
また、ゆっくり時間を取って、再訪したいです。

photo by 千葉祐子(風景写真は除く)